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神様の贈りもの

神様の贈りもの
大坪章美

ヨハネによる福音書 3 章 16-21 節

皆さん、クリスマスというと、なぜ、サンタクロースが現れるのでしょうね。サンタさんは、「良い子達に、プレゼントを持って来てくれる人」なのに、クリスマスは、「イエス様のお誕生日をお祝いする日」なのだから、お互いに関係無いと言う人の言い分も分かります。しかし、良く考えてみますと、大きな共通点があるのです。それは、プレゼント、贈り物です。サンタクロースが、良い子の皆さんにプレゼントを持って来てくれるように、神様は、人間に、救い主、イエス・キリストを贈って下さったのです。

イエス様がエルサレムに居られた時の事、ある夜、人目をはばかるようにしてニコデモがイエス様を訪ねて来ました。そして、「先生、私共は、あなたが神の許から来られた教師であると知っています」と、言ったのです。イエス様は、ニコデモがしなければならないことを教えられました。「はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見る事はできない」と、言われました。それは、「ニコデモの心が、今のままで、生まれながらに持っている罪や、地上で造った罪を持ったままでは、神の国に入る事は出来ない」と言う意味でした。そして、新しく生まれる為には、「水と霊によって、生まれなければならない」と仰ったのです。私達の心を変えて下さるのは、私達を造って下さった方である、神様お一人だけなのです。わたしたちは、この、「水と霊とによって生まれ変わること」を、洗礼を授けられることによって、実現してきました。

イエス様は、ニコデモに、「あなたがたは、霊がどのように働くかを知らないし、霊を見ることも出来ないが、人間の生き方に現れる霊の影響を見ることができる」と教えられました。確かに私たちは、「霊の力で、人は変わる」ということに思い当る節があります。わたしたちは、聖霊が降った日から、見違えるように心を強められ、何ものをも恐れることなく、神様を賛美し始めた弟子たちのことを忘れることは出来ません。“霊によって生まれ変わる時”、それは、洗礼を授けられる時、です。その時を境に、その人自身の思いをはるかに越えて、その人の心は、変わっているのです。

イエス様は語り続けられます。天の国の事と、神の国の事を知っておられるのは、人間の歴史の中で、イエス様唯お一人しかいないからです。然も、イエス様が望んでおられる事、つまり、世の人々を救う為には、この秘密を明らかにしなければならなかったのです。

かつて、モーセに率いられたイスラエルの民は、灼熱の荒れ野を歩きながら、エジプトから脱出した事を後悔して、神様とモーセに反抗して言いました。「何故、わたしたちをエジプトから導き上ったのですか」と。神様はお怒りになって、猛毒の炎の蛇を、イスラエルの民の中に送られました。民の中には、多くの死者が出て、民は、ようやく、神様とモーセに反抗したことを悔い改めて、モーセに、「わたし達、イスラエルの民を救って下さい」と、頼み込んだのでした。モーセは、神様が言われた通りに青銅の蛇を造って、旗竿の先に掲げました。そうすると、蛇に噛まれた者がそれを見て、命が助かったのです。イエス様は、青銅の蛇が旗竿の上に掲げられて、イスラエルの民が命を得たように、「イエス様ご自身も、十字架の上に掲げられて、死んで、天に上げられなければならない」と仰いました。

そして、ヨハネ3:16節では、「神は、その独り子をお与えになった程に、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得る為である」と、お話になりました。神様も、唯一人の子どもイエス様を手放して、十字架の上で死なせるという事は、本当はしたくなかった事です。それでも神様は、イエス様を地上に送り十字架の上で殺されるままにされました。

何故でしょう。それは、神様が、それ程までに、人間を、そして皆さんを愛されたからに外なりません。

ニコデモもヨセフも、弟子たちも皆さんも、この、イエス様の救いを頂いているのです。今日、クリスマスは、サンタクロースのプレゼントを喜ぶと共に、神様が、わたしたち人間に下さったイエス様の、お誕生を感謝し、祝う日です。

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